占いの裏話(15)
新築前(設計段階)の不安 |
Q
家を新築することに決めてから、どういう家にしようかと約1年間、雑誌など色々な資料の比較検討に費やして、ようやく私と家内との合作構想がまとまりました。
下書き図を作り設計士に頼む段階になってから夫婦共、家相のことが心配になってきました。 家相について書かれた書物を読むと、夫婦の部屋/長男の部屋(長女の部屋)は・・・・がよい、理想的な間取りは・・・・である、凶相の家は・・・・ETC 気にさわることが書いてあり、私達夫婦の考えと異なっていることが非常に多いのです。 資金調達などの面で早く設計図を作ってもらわないと間に合わなくなりそうなので迷っています。 何かアドバイスをお願いします。 (静岡県 Y夫 48才) A
新築は殆どの人にとって一生に一回の大イベントですので気持ち良くとりかかり、差し障りなく落ち着くことが、極めて重要ですからその場に当り、あなたのように気になって当然だと考えます。
間取りは家の広さ、居住人数、家族構成により(場合によっては施主の社会的地位に左右されて)決まるものですから、最も個性が発揮されるところです。 間取りについて古来、家相の本で強調されているのは、部屋数/部屋の広さ/畳の数(1畳から10畳まで、それ以上の数)/動線(各部屋への連絡)/袋小路(四方塞がり)/使わない部屋/2x4の畳の配置/男部屋(女部屋)・・・・について等ですが、いずれも縁起をかつぐような内容の記述ばかりで、気持ちの良いことは書いてありません。 貴方ご夫婦の希望を全部満足させること、ましてや色々な人が言う家相についてのノーガキを全うさせることは「不可能」でしょう。 貴方が心配しておられることが、家相判断のどの部分にあたるのかを知れば、かなり気持ちの整理が出来るはずです。
そこで、間取りを@基本部分A基本部分に付随する部屋B特殊な部屋C構造物D家の外回り(付属物)に分け、更にこれらを(a)住居に必ずある設備(b)時にはある設備に分けて列挙することにします。 これによって何がどのように分類されているかを確かめ、貴方の不安がどこにあるのかを、まず突き詰めて下さい。 @(a)玄関/台所/食堂/トイレ/浴室/脱衣室/洗面所/居間(リビング)/主寝室/洗濯室
@(b)子供部屋(長男の部屋、長女の部屋)/応接室/客間/書斎(主人の部屋)/主婦の部屋/老人(父母)の部屋/押し入れ/納戸/物入れ/収納室 A(a)ナシ A(b)廊下/板の間/階段/物干/ベランダ(縁側)/味噌、醤油、塩の貯蔵所/床の間/神棚/仏壇の間 B(a)ナシ B(b)家事室/予備室(他目的室)/作業室/屋根裏部屋/サンルーム/地下室/茶室/使用人室/水槽(熱帯魚、金魚) C(a)窓/壁/タタミ/天井/軒/屋根/雨樋/上水管/ガス管/排水管/下水管/電線/冷暖房設備/コ タツ/いろり/ゴミ用器置き場(ポリ用器置き場) C(b)障子/フスマ/板戸/棚(違い棚)/欄間/吹き抜けホール/天窓 D(a)表札/郵便受け D(b)門/車庫/物置/塀/垣/樹木/花/ゴミ捨て場/犬小屋/鳥小屋/家畜小屋/別棟/倉庫/土蔵庭石/築山/池/井戸/離れ/神祠/稲荷/墳墓/手水鉢/石灯篭/宅地内の川の流れ 吉相の家とは、(1)日当り/採光/通気/通風が確保されていること(2)実用性(使い勝手)に優れていること(3)外観が良いこと(4)保健(特に空気汚染対策)、衛生、騒音振動対策、保安、防災が維持できること(5)他人が出入りし易いこと。(6)心理的安定(プライバシー、開放感)が得られること。(7)完成後(1)から(6)をどのように維持又は変化させたか(メインテナンス/増改築の状況)も判断の対象になります。)
以上7点をクリアーしていることに集約されます。 家相学上これを吟味するためには、以下についての吉凶を判断しなければなりません。
即ち (8)家の構造(9)建築施工方法(10)用材(構造材)(11)形状の凸凹(張り欠け)(12)(11)以外の形状(建物の外観だけではなく内部についても)(13)間取り(14)色彩(外部内部とも)(15)階下/2階/3階の有無(16)住む人(九星)との調和/不調和(17)建築時期です。 これだけの項目がありますので、一般の人の不安を喚起するようなことを拾い出して、つれずれにかき出せば、きりがありません。
貴方は、家相に関するどの書物にもある、まとまらないノーガキの真否が気になるのではないでしょうか。 家相の本の殆どは(8)から(15)までの一部だけについて(特に(11)について)大半を費やしたものが多く、しかもその内容に一貫性がなく、良くわからないことを平気で書いています。 言いがかりとしか言いようのないつまらない内容が大衆受けするからなのでしょうか。 その類については、難しく考えないことにしましょう。 家相という思想が構築された時代と比較して現代は、生活様式、家族構成、知能程度、科学、建築技術の発達改善が著しく、当時とは全くかわってしまいました。
住いは人間の生活に直結していますので、家相という思想も時代に即応して絶えず変化して当然です。上述した(1)から(17)は伝えられている理論に基づくチェック事項ですが、合理的なもの、迷信と思われるものが入り混じっています。 このたてまえだけにこだわると、解決できない問題に遭遇して、前に進めなくなってしまいます。 だからといって、永い年月の経験から得た貴重な知恵を、現代の常識だけで批判して、すべてを迷信と決め付けてしまうことも大人気ないことです。 利用できるものは多いに参照すべきです。 現在は洋間が多く(畳の部屋が少なく)なり、部屋の広さはハウスメーカー既成の用材によって限定される傾向が強いのですから、現代に通じないことを吟味もしないで平気で話す(書く)いかがわしい人の説明をそのまま鵜呑みにするのは適切ではありません。
むしろ、建築に関する限り、現存のハウスメーカー、建築職人は、旧来から家相上指摘されているあらゆる点を充分に考慮、研究して改善改良し、吉相になるように施工している・・・・と素直に信じてみたらどうでしょう。 大部分の人は、そのようにして決断するはずです。 因みに新築という一大イベントに当って殆どの人が密かに気にするのは、上述の(16)と(17)です。
施主にとって吉の時期に、できれば夫妻に共通した吉の時期に施工するのが特に重要だということをどなたも知っているからでしょう(一生住み続けるのですから)。 だから(16)(17)については、なんらかのかたちで真剣に調べているはずです。 親を通じて占師に相談する(これが最も多い。 自分で本を集めて読む、友人に聞く。・・・・・など。 家族がそろって安心して健康に過ごせることを確信するためには、懸念事項を極力取り除いてしまうことがとても大切なことです。(当研究所Eメール yiu61861@nifty.com ) |