風水家相講座(8) | ||
二世帯住宅 | ||
Q) 2人住まいの父母が高齢になり、次男である私の家族(4人)と一緒に住みたいと言いますので、両親の敷地内に家を新築しようと思っています。両親は廻りの 人から、家相のことについて入れ知恵されているらしく、いつも物騒なことを言っていますので、私も一抹の不安を持っています。そこで私は、二世帯住宅に現 在住んでいる友人・知人にそれとなく生活状況などを聞いて廻っていますが、どなたも、必ずしも満足している様子には見えません。いい話も聞きません。ある 人は、二世帯住宅を建てて、息子一家と一緒に住んで間もなく、息子(41歳)が亡くなり、その後、嫁との折り合いがだんだん悪くなって、今ではお互いが、 顔を合せないように、気をつかって生活しているとか。「こんな事なら二世帯住宅になど! すべきでなかった」とさえ言っています。私達家族の場合はどうしても二世帯住宅にしたいのですが、建てる時はどういうところに注意すればよいのでしょうか。 横浜市 K男 38才 A) 突然死の原因(特に医学上)を確かめてから云々するのならともかく、他人の噂を又聞きして、息子の若死やその後の不幸を二世帯住宅のせいにするのは適切とはいえません。 あるいは、建築時期とか両親、息子一家または両方の移転方位(建てた場所)が良くなかったのかも知れないからです。 以下に述べることで二世帯住宅の風水上の概略をつかみ、目的を実現させて下さい。 二世帯が同じ所に住むには、二つの家族(通常は親子)が或部分(土地・家あるいはそれらの一部)を共用しながら生活することになりますが、所有 権、経済的負担の点から、土地・建物を夫々親と子のどちらが持っている(出す)か、共有(共同で出す)かで種々の組み合わせができます。 例えば、土地建物両方とも親まかせ/子まかせ/または共有のケース、土地か建物の一方のみ持ち合うケースまたはどちらかを共有して他を親か子が持つケースです。経済的負担(特に生活費)もこれらのケースになると思われます。 このうち現実には土地は親の名義、建物は共有または子の名義というケースが多いようです。 二世帯住宅とは、老若の親子夫婦がプライバシーを確保しつつ、至近で生活する住宅スタイルと定義することができます。(家相学上です。屁理屈はあるはずですが、別の分野の人は、独自の定義をして下さい。) 二世帯住宅で配慮しなければならない最も重要な点は、独立性、プライバシーの確保です。 家の構造上、この2つに関連するのは玄関/台所/風呂場/トイレ/リビングの5つの配置です。 そこでこれらを充分に考慮した上で、二世帯住宅の建て方を次のように9の型に分類します。 @1軒の家に二世帯が一緒にすむケース。(全くの同居型。5つの内寝室のみ別で他は共用) a)平屋建 b)二階建 A5つすべてが別のケース (完全独立型) a)親又は子の土地、又は親子共有の土地に別々の2戸の家(平屋または二階建)を持つケース。 b)一戸の平屋建住宅に親子別々の玄関を造り、壁1つで右と左に2分するケース。 c)1戸の二階建住宅に1・2階それぞれに外玄関を造り(2階への専用階段をつける)、親子が上又は下に別れるケース。 B 玄関が1つで他の4つを別々にするケース。(部分的独立型) a)1戸の平屋建(親子が左と右に2分する) b)1戸の二階建(親子が上と下に2分する) c)廊下でつながっている離れ座敷型(親子がどちらかに住む) d)増築して繋いだ離れ座敷型(親子がどちらかに住む) 以上の中からえらぶことになります。 家相上で特に注意すべきことは次の通りです。 建物の中心点が1つか否か。 @はいずれも1つ、Aはいずれも2つ、Bはいずれも1つです。 中心点が1つの時は1個、2つの時は別々に家相判断をします。 但しBc、Bdは増築場所(方位)、母屋との大きさ又は高さの差により吉凶の判断が異なります。 専門家の鑑定を必要とします。 Ab、Acの場合は2個の玄関を左右対称にしたり、対冲(向き合うこと)に造るのはさけるべきです。 又Ab、Ac、Ba、Bbの場合は、水廻りや排水を経費節約設計にするのが常ですがが、だからと言って親と子のそれを、壁を隔てた左右又は上下にすること(背中合わせスタイル)は避けるべきです。 いずれも嫁姑/親子の関係に良くない問題が生じます。 若い人は夜型が多く、部屋を歩き回る音、入浴時の音は壁を隔てた隣、階下にかなり影響がでるからです。 音を出しやすい場所には防音シートを充分に張る等の対策を要します。 Ab、Ba、Bc、Bdの場合、親が左右のどちらを使うか、@b、Ac、Bbの場合、親が上下のどちらを使うかの判断も大切です。 建物の位置(向き)によって家相が異なるからです。 二世帯住宅の良さは親子世帯が近くにいるという安心感がお互いに大きいことです。同時に、親子それぞれが自分達にとって都合の良いこと、経済的メリット、損得勘定が強く働いてもいるものです。 つまり親は歳をとって健康に自信がなくなってきたので面倒見てもらいたい。子ガいると病気の時便利だ。子の家族と住んで老いの寂しさを紛らわしたい。孫の世話をしたい・・・・など老後の不安からの解放。 また子は今より広い間取り/1戸建に住みたい。親の土地を利用したい(土地購入不要)。通勤に便利(親の土地が都心に近い時)。夫婦で共稼ぎをしたいので子の面倒を親に見てもらいたい。 親子とも同じ建物(敷地)の中に居ればお互いの消息が判り、身近に感じられる。親子家族全員が楽しくふれあう時間と空間を持ちたい。お互いの経済的負担の軽減(生活関連費や建築資金を親子共同で出し合える)。狭い土地を有効利用したい。・・・・などです。 正常に機能すれば自分達にとって都合の良い、盛り沢山の思わくが実現でき、にぎやかで楽しく、これほどハッピーなことはないでしょう。 しかし、二世帯住宅はうまくいかなくなる事例が少なくないのも現実です。 次のような事があげられます。 日常の生活習慣には個人差があります。 老若間のそれは更に深刻です。 年寄りのグズ(動作のカンマン)と若者の活発さには、極端な違いがあります。 永い年月、一緒に住んでいるとお互いがとても疲れます。 双方から不満が出やすく、双方のストレスのもとになりやすい場所として台所・風呂場・トイレが挙げられます(玄関も同様です)。 具体例として食事の献立/「風呂の湯加減(「次がつかえているのに未だ入っているのか」「冷めるから早く入ればいい」)/室内温度/生活のリズム (夜更かし、朝寝)/騒音(足音、子供の走り回る音・・・・コレはかなり深刻な問題になる)/生活音(テレビ、ラジオ、CD、パソコン、電話、音 楽)・・・に関する問題です。 特に上記@の2つのケースでは、これらの問題が起きる場合が多いようです。 水道光熱費を考えれば設備関係を共用にするのは合理的ですが、これらは別々にしたほうが無難です。 しかしリビングは双方が別々に持つより共用がいいと思います。 合わせれば広々と取れるでしょうし、二世帯が一緒に過ごせる共通の楽しい空間にすることができるからです。 従って設計段階から慎重にトラブルの芽を摘んで置き、同時に共に暮らす楽しさを実感できる部分を確保しておく必要があります。 上記のような五感の働きによるもの以外にもっと深刻なのは、何となく合わない/何となくイヤだ/生理的に好かない等、目に見えない心理的なトラブルです。 大金をはたき、重いローンを組んでしまった後に、どうしようもなくなって改築し直す、別棟を造るというケースが意外に多いのですが、それらはほとんど、この辺(心理的なトラブル)から発生します。 思い通りにならないのが人生です。 二世帯住宅を造るに当っては、二世帯がより豊かな生活の場にするために、家族が何を大切にするのか等、自分たちのスタイルを全員で話し合い、2組 の夫婦にとってそれに起因するストレスにはならない許容範囲を充分に吟味し合い、お互いに譲歩、我慢ができるか否かを冷静に、時間をかけて考えてから決断 する必要があります。それに自信が持てなければ、一緒に住むべきではありません。 家相などはその後(決定した後)に考えれば良い事項です。 一見仲が良さそうな家族でも、実際の中味はその逆の家庭が以外に多いものです。一番問題なのは嫁姑の関係です。 もともと別世界で生まれ育ち、しかも年代に大きな差がある女性同士なのですから、ほとんどの面で一致する訳がないのは当然です。 本当に相性が合う仲、お互いに本音でぶつかり合っても相通ずるところが有り、ガマンできる仲の嫁姑が在るとすれば、それは奇跡的な巡り合わせと言って良いでしょう。 それ以外(おそらく大部分)は嫁姑間でガマンくらべをし、息が詰まるほどの不満をヒタ隠しにして日常生活を繕っているはずです。 男性の場合は、「仕事のため」と称して、家庭の日常問題から逃避することができますが、女性はそうはいかないのが現実です。 ガマンをし続け、何時爆発するか判らないほどのストレスをためながら一生の大半を送る人生を、「尊い」「偉い」と賞賛するか、くだらないと考えるかは個人の判断です。 一生は一回しかないのですから、イヤナコトからはなるべく逃れる方が利口だと言うのも一つの考え方でしょう。 二世帯住宅については、上手くいかなくなった時のこともよく吟味してから踏み切ることが肝心です。 理想と現実に大きな差があるからです。 そこで私は出来れば上述のAaをおすすめします。 しかも敷地までも完全に仕切り、他人の家のように造れれば完璧です。 「もったいない」という吝嗇観などは、感情のもつれをいつまでも(おそらく死ぬまで)引きずる形の、人生の浪費に比較すれば、軽く且つ小さいことです。 質問者のように、「どうしても」という何らかの理由がある場合には、将来、何事があっても当然ガマンするという強い決心を家族全員で確認した上で、また、非常に気にして居られるご様子の「家相の不安」も解消した上で自信をもって遂行することです。 |
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