風水家相講座(20)
先天的運勢の判断・・・・(4回シリーズ) その 2
前回に述べた通り、人の性格や運勢の盛衰の推移は、九通りに分けて公開せざるを得ないのであるが、わずか9種で表現するため、その内容が各人の基本的な共通点に限られてしまうのはしかたがないことである。
しかし、これだけでは物足りないと思う人や、専門家に鑑定してもらうほど凝ってはいないが、自分自身でもう少し詳しく調べてみたいと考える人が多いのも現実であろう。
そういう人の為にこのシリーズを設けてみたのである。
 
年命星は生まれ年の中宮九星に拠ったのに対し、月命星は生れた年に配当され且つ生れた月に該当する月盤の中宮九星によって決まるのは前回に述べた通りである。
これらの事、即ち年の本命(年命星)、月の本命(月命星)が判ったところで次の段階に入る。
 
結論から先に言えば、各人の先天的運勢は月命星の九星盤(月盤)上、その年命星はどの方角に位置しているか、つまり年命星が在座する方角(別称「宿命星」)は何か及び月盤上の各方角にはどんな星が遁甲しているかを見ることによって判断する。
 
この方法は、気学の歴史上、比較的最近に考案されたもので、研究家の間で温存され秘伝として殆ど公開をせずに今日に至ったものである。
それだけに、これを得意とする研究者の数は未だほんの僅かである。
異説も多いし、語彙も不統一である。
 
この方法の基は「各人には宿命として生れた時に与えられた方角がある」と考えるところにある。
これを見つけ出すには年命と月命とを重ねあわせて観る。
前回に述べた表がここから生きてくる。
各人が生れた月の九星盤(月盤)が運勢判断に際しての重要な要素となってくるからである。
これらの表を読むときの注意点が2つある。
 
     1つは、気学風水占いは季節暦を用いて占うという点である。つまり、
年命は立春(2月4日)から翌年の節分(2月3日)を一年として換算して出す。
同様に月命も前回のC表に記載の通り、「節月」つまりその月の節入りの日から次の月の節入りの前日迄をその月の1ヶ月として換算して出す。
現行の太陽暦による年の変わり目と月の変わり目には、前の年又は前の月の星の影響が未だ残っていると考えるのがその理由である。
 
私の記述に出る「月」も上述の「節月」のことであり、ただの旧暦の「月」ではない。
ここで、これについて詳説しておく。
 
旧暦時代には、朔日に始り晦日で終わる「月切り」という1ヶ月と「節切り」と呼ばれる1ヶ月があったが、私が記述するときの「月」(MONTH)は前者たる旧暦の「月」のことではなく、後者つまり節から節までの「節月」「節切り」を意味する。
 
「節月」とは、二十四節気中の節気から節気までのことである。
「節気」とは、具体的に立春、啓蟄、清明、立夏、芒種、小暑、立秋、白露、寒露、立冬、大雪、小寒のことで、二十四節気中、第1段、第3段、5,7,9,11,13,15,17,19,21,23と奇数段に属するもののことである。(因みに偶数段は「中気」と称する)
 
従って「1月」といえば正月(1月)節のことで、立春に始まり雨水を含み啓蟄までの1ヶ月間を指すのであり、旧正月元旦から正月晦日までの1ヶ月間を言うのではない。
 
ついでに、気学占いに当たって専門家と自称する人でもよく間違えるのが、1月1日から1月5日迄に生れた人と1月6日から2月3日迄に生れた人との区別(年命、月命の特定)である。
これが区別できないと正しい占いはできない。
前者の年命は現行(太陽)暦による生れ年の前年の九星、月命は前年の12月の九星のことであり、後者の年命は前年の九星、月命は1月の九星とするのが正しい。
間違わぬように特に注意したい。
 
尚、当HPの「今月のあなたの幸運」には、HPのアレンジ上、この件に付いて若干の説明があるにすぎないが、詳しくは上述のとおりである。
 
     2つ目は、年命には3つのグループがあるという点。
前回のB表@、B表A、B表Bがこれである。
生れ月が同じでも所属するグループによって月命が異なるということである。
例えば同じ3月生まれの人でも、平成3年生まれの人は年命九紫でB表Bのグループ、平成4年生まれの人は年命八白でB表Aのグループ、平成5年生まれの人は年命七赤でB表@のグループに属するものであり、表にある通り、月命はそれぞれ四緑、一白、七赤となる。
このように、生まれ月が同じでも月命は異なるのである。
 
さて、宿命星の出し方(因みに前回は月命星の出し方であった)の具体例及びそれに付随するコメント(自説)はつぎの通りである。
 
  (1)例
 
      @ 昭和55年9月27日生まれの人の場合・・・・・この人の年命は二黒である(A表参照)から、B表Aで月命を探すことになる。
B表Aによると、9月生まれは月盤の真ん中に4があるから月命は四緑である。
この月盤で、二(年命)はどこに在るかを探すと「東の方角」に位置している。
そこで「この人は東方の宿命をもって生れてきた」ということになる。
 
      A  平成5年3月15日生まれの人の場合・・・・・この人の年命は七赤である(A表参照)から、B表@で月命を探すことになる。
B表@によると3月生まれは、月盤の真ん中に7があるから月命は七赤である。
この月盤で七(年命)はどこに在るかを探すと「真ん中」に位置している。
そこで「この人は中央方の宿命をもってうまれてきた」ということになる。
 
  (2)年盤、月盤等方位盤は年、月、日それぞれに別れて作動しているが、いずれも9回をベースに変化しつつ回転するのがルールになっている。
すなわち9年、9ヶ月、9日に1回の割合で真ん中の軸(中宮という)を変えながら一定のルールで回転(遁甲)しているのである。
そうした作動を定型的に繰り返しているうちに年盤と月盤の中宮に同じ九星が入る場合も当然出てくることになる。
上述(1)Aがその例である。
 
これをどう扱うかについて色々な考え方(諸説)に分かれる。
このケースは九通りあるが、そのうち特に年命月命がともに五黄の場合になると更に説が分かれてしまう。
気学研究家の間では、五黄を九星のなかで特別な星として扱う傾向が強いからである。
 
但し、五黄の扱い方について私は(以前から何回も記述しているが)、五黄といえども九星の中の一つの星であって何ら特別扱いする必要はないと考えている。
この点について私は、永年検証を続け確信を持つに至っている。
検証は現在も進行中である。
 
諸説とはつぎの通りである。
 
      @、年月の中宮が同じ九星になる場合の宿命星の特定は、八宮の易卦を基にして決めるとする説。
八宮の易卦を裏返しにしてみたときの裏返しになった卦(つまり裏卦)を宿命星(方角)とする。
具体的には、年月が一のときは9(南方)、同様に二のときは6(北西方)、三のときは4(東南方)、四のときは3(東方)、六のときは2(西南方)、七のときは8(東北方)、八のときは7(西方)、九のときは1(北方)とする。
しかし年月が五のときは特殊な場合として例外扱いをする。
    a,五には易卦はないので五行説の考え方に基ずき五と同じ土星である8と2を持ち出し、これを男女に配分して、男が年月共に五のときは8の裏卦の7(西方)を、女が年月共に五のときは2の裏卦の6(北西方)をその人が持って生れた宿命星(方角)とするのである。
年月共に五の取り扱いについては、この他、
    b.男を2(西南方)、女を6(北西方)とする説がある。
これは男の代表宿を6とし、女の代表宿を2とするが、本能的には男は女に、女は男に傾くのが自然であるから、結果的にそうなる(男は2、女は6)という妙な理屈をつけている。又、
      c.男を8(東北方)、女を2(西南方)とする説もある。・・・・理由不明。
 
     A、年月が共に一のときは4(東南方)、同様に二のときは9(南方)、三のときは6(北西方)、四のときは4(東南方)、五のときは男が8(東北方)、女が2(西南方)、六のときは1(北方)、七のときは6(北西方)、八のときは4(東南方)、九のときは6(北西方)とする説。
この説では何故か東方、西方がない。中央方は勿論ない。
またなぜこういう結果になるのかの理由付けもない。
 
     B、私は、このいずれも採らない。
数多(あまた)の人間の宿命を僅か9つに分けるのさえ少ないと考えているのであるが、五を5とせずこれを7又は6にすることは、9つある星の数を8つに減らしてしまうことであり、且つ年月五について男女に差を設ける根拠、理由が全くあいまいで採ることができないからである。
五は即ち5であり中央方なのである。
 
     C、(3)(1)Aの特定の結果については、真ん中は方角ではないから中央方とするのは適切ではないという説がある。
確かに中央は12又は8にわけたときの方角の一つとは言えない。
しかしこの場合は運勢分類上の1つのポジションまたは呼称なのである。
因みに中央方の宿命星を持って生まれた人の運勢は、他の8つの宿命を持つ人のそれと比較して浮き沈みが極めて激しい人生を送るのが統計的に明らかになっている。
波瀾万丈といってもよい。 
この点で諸説が生ずるのも無理はないと考えるが、だからと言って「中央方」と言えないという理由にはならない。
 
以上によって導かれた宿命星が各人の性格、特異性に強く影響していることは実占上、確かである。
 
 



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