風水家相講座(15)


凶殺(業界用語)の話 -その2-



Q.NO7に凶殺についての説明が載っていましたが、他の多くの解説書と異なる点が多く、ユニークなところもあって、興味を持って納得して読ませてもらいました。私が更に知りたいことは、凶殺というのはどんな災いをするのか、どういう時に凶殺が出るのかということです。是非解説をお願いします。
                              東京都  B雄  38才



A.用語の解説は、無味乾燥そのものですから、控えていました。しかし、業界用語にはかなりの混乱や誤解がありますので、いつか書かなければと考えておりました。この回答を理解するには、「九星の配当」と「方位盤」についての知識を必要とします。
気学の研究をしない人には一番の難解個所ですが、気学・風水の本には、どの本でもそのサワリのところは著者のレベルに応じてそれなりに説明がありますのでその類をみて下さい。

 1、 凶殺とは、方位の凶を司る神を意味する業界用語のことです。方位盤上、強いエネルギーを放つ星の正反対側(対冲という)に存在する場合の良くない反動をいいます。(但し小児殺(後述)はこれと若干異なる)
 
 2、 機能する凶殺としては6種が存在し、@暗剣殺A破B定位対冲C小児殺D本命的殺E月命的殺がある事は、当HP「講座NO7]で述べた通りです。

@ABCは万人共通の凶殺、つまり本命とは無関係に年月日夫々の方位盤のまわり方で生じます。DEは九星それぞれにのみ存する固有の凶殺です。尚、巷では通常Aだけを年月日に分けて年破、月破、日破とそれぞれ呼称しますので、Aだけが年月日にわかれて存在するように思われがちですが、そうではなく@BDにも同様に分かれて存在します。Cは月盤のみに存在する凶殺です。

 3,圧倒的多数の解説書では、上記@DとAのうち年破、月破、計4つの他に五黄殺、本命殺を挙げます。然もこれらを「大凶方」(この呼び方は不適切です。「凶殺」が正しい))と称し、合せて「六大凶方」と称して大騒ぎします。日破を入れて「七大凶方」という人もいます。たまにBを挙げる人、Cを挙げる人、BCともに挙げる人もいます。稀に月命殺を挙げる人もいます。
大分混乱しているのです。
これらについては、当HP「講座NO7]で解説し、又その後これらの関連を記述するときに、しばしば触れていますのでここでは詳説しません。付言すると・・、本命星が回座する方位は「本命方」、五黄本命が回坐する方位は「五黄本命方」、月命星が回座する方位は「月命方」と称するのが最も適切です。「殺」という表現は全く不適切、不穏当で暗いイメージが漂い感心しません。いずれも、凶殺ではありません。凶殺どころか、その逆で本命、五黄本命、月命のそれぞれに吉のパワーをもたらすプラスの方位に該当するものです。


B、今回のQにある「どういうときに凶殺が出るのか」つまり凶殺の方位盤上の位置は次の通りです。

1、@は五黄星が回座する位置と対冲する位置に在ります。別の表現をすると、(a)五黄星の本来の位置(定位置)である中宮を現に占領している九星の本来の位置(定位置)(b)中宮九星が本来入っているべき位置(定位置)(c)中宮九星の本籍位置です。具体的には、一白中宮のときは北6に、二黒中宮のときは西南8に、三碧中宮のときは東1に、四緑中宮のときは東南3に、六白中宮のときは北西7に、七赤中宮のときは西9に、八白中宮のときは東北2に、九紫中宮のときは南4に在ります。五黄中宮のときは暗剣殺はありません。

2、a、Aは中宮十二支が回座する方位と対冲する位置に在ります。別の表現をすると、中宮十二支から数えて6ッ目の位置です。具体的には、子が中宮のときは南に、丑が中宮のときは南南西に、寅が中宮のときは西南西に、卯が中宮のときは西に、辰が中宮のときは西北西に、巳が中宮のときは北北西に、午が中宮のときは北に、未が中宮のときは北北東に、酉が中宮のときは東に、戌が中宮のときは東南東に、亥が中宮のときは南南東に在ります。

   b、市販の暦及び多くの解説書では、「丑又は寅のときはいずれも西南に、辰又は巳のときはいずれも北西に、未又は申のときはいずれも東北に、戌又は亥のときはいずれも東南に」として四隅(各60度)を1方角にかぞえてしまい、30度づつ2方角に分けていませんが、これは正しくありません。如何にこれが伝統的な言い伝えだからという言い訳を付けたとしても正しくはないのです。
九星気学は、陰陽五行、易を源泉とした八卦に由来していますから、通常は九星の遁甲も四正と四隅の8単位として説明しています。この配分方法と方角(12)の配分との認識不足から上述の誤解が生じたものと思われます。
破の位置を私のように定義しないか又は定義は正しくても方位盤の運用を上記のように誤ったまま旧態依然として放置しているかのいずれかが、その誤りの原因と思われます。どなたかを教祖とした色々な流派と、それに属する人の中には、これに気ずいている人も居るはずですが、誤りや矛盾を感じてもこれを言い出せず、一方、教祖さまを担ぐ取り巻きは、組織や伝統に拘泥する余り、臭いものにフタをして先送りして現在に至っているのでしょう。このような集団心理を中心とした雰囲気の状況下では、何処かの政府組織(伏魔殿)や何処かの金融機関みたいで、何の進歩発展も望めません。進歩どころか、多くの関係者を巻き込み迷惑をかけて哀れな後退の結末となります。いつまで経っても、権威がどうの、メンツがどうのと、くだらないことを力説するばかりで、環境の改善を図ることもなく、暗い雰囲気を維持したまま一生を過ごすのでしょう。間違いは素直に認め即、改良しなければなりません。そのほうが自他ともにスッキリして気持ち良い毎日を送れるはずです。有限の一生は努めて合理的に生きたいものです。

   c、私のやりかたによると、十二支中宮の掌握も破や吉凶神の位置も正確に理解でき、且つ、それらの存在をわかり易く表示することが出来ます。因みに、昨年(平成13年)に移転した二黒の人が、事情があって、ある占師に診てもらったところ、「北西の凶方に転居したことになり、その影響が出ているので、平成14年の10月に北西に再転居するように」と言われた由、その後、気になり憂鬱になっていたところ、ご縁で私の存在を知り、インターネットで私に相談に来ました。私の鑑定の結果、この方は、確かに西北に移転していましたが、正確には西北西に移転していました。そしてこの人は、この人は凶方どころか、偶然にも吉方移転をしていたことが判りました。

何故「自称占師」が凶方に移転したと判断したのか。彼は、巷の解説書通り、四隅である北西を30度づつ2つに分けず、四隅の一方に破が存在するときはその60度全部を破付きの方角と決め付けていたのです。その為、鑑定依頼人が正確には「西北西に吉方移転していた」のにもかかわらず、間違って、その全く逆の「西北に凶方移転した」と判断してしまったのです。つまり、北西60度は西北西と北北西各30度の2方角に2分するのが正しいという事が分かっていれば正解に達したはずなのに、「北北西の方角に破が在ったから」、正しくは「平成13年の北北西は破(歳破)という凶殺付きの方角だったから」西北西という方角も含めて西北全部を破と判断してしまったのです。巷では皆、このように言っているようですが、その判断は全くのマチガイです。この例のように、巷の一般的な解釈に拘泥すると、吉を凶と、まるで逆に判断し、且つ無責任な放言をするとういう、重大な誤りを犯す事になります。このような間違った判定を受けて憂鬱になっている人が世の中には沢山いるのではないかと私は心配しています。世の占師諸君、もっともっと真剣に勉強をし、正確な判断ができるような努力、修行を充分にして、迷っている人を更に迷わせ、且つ悲しませるような愚行を絶対にしないように注意し給え。

3、Bは各九星がその定位に対冲する位置に回座したときに生じます。
具体的には、一白がその定位である北の対冲の南に回座したときの南、二黒がその定位である西南の対冲の東北に回座したときの東北、同様に三碧の西、四録の北西、六白の東南、七赤の東、八白の西南、九紫の北です。尚、五黄の定位は中宮ですので、対冲はなく、従って五黄にはBはありません。

4、Cは年盤の中宮十二支と月盤に回座した九星との組み合わせにより生じます。具体的には、
(a)子又は午の年は月盤上で八白が回座した位置、丑又は未の年は九、寅又は申の年は二、卯又は酉の年は三、辰又は戌の年は五、巳又は亥の年は六です。陽の十二支(子寅辰午申戌)の年の2月および11月、陰の十二支(丑卯巳未酉亥)の年の7月には小児殺はありません。
 (b)存在位置を別な面(回座する十二支の月と回座位置(方角))からとらえると、寅月(2月)卯月(3月)と子月(12月)は北西に、辰月(4月)と丑月(1月)は西に、巳月(5月)は北東に、午月(6月)は南に、未月(7月)は北に、申月(8月)は西南に、酉月(9月)は東に、戌月(10月)東南に、それぞれ位置します。寅月(2月)と亥月(11月)は中宮に位置しますので、凶殺としては現出しません。
(c)九星のうち1,4,7が回座した方角には小児殺はありません。

尚、小児とは小学校に入学できるまでの年齢つまり6歳未満の幼児のことを言います。(6歳以上の子供は此処では小児とはみなしません。)

5、Dは本命星が回座する方位に対冲する位に在ります。盤上では、本命星の位置から4つ目にあたります。各本命星毎に中宮星の如何に応じてその位置は一定していますが、全部で72通りにもなりますので、ここには表示できません。尚、本命星が中宮に在泊するときは、Dは存在しません。

6、Eが在るのは、月命星が回座する方位に対冲する位置です。本命星には、年の本命(年命)、月の本命(月命)、日の本命(日命)、時刻の本命(時命)が在る事は既に解説済みですが、(講座NO2参照)、Eはこのうちの月命に関する凶殺です。

7、以上のうち、Cだけは月盤にのみ存在する凶殺ですが、これ以外は年盤、月盤、日盤のすべての方位盤軌道に現出します。


C、「どんな災いをするのか」即ちそれらの方災は次の通りです。

  @は、他動的な災難与える凶殺(大凶)です。これを侵して旅行や移動をすると盗難、思いがけない損失、突発的な事故、災難、病気(手術を要する病気)怪我などいずれも致命的なトラブル、倒産に遭遇、受難します。又その解決に醜態を演じ信用が大幅に失墜します。交通事故、通り魔殺人など生死に関する場合もあります。
  
  Aは、目的に破れを生じさせる凶殺(大凶)です。総じて毛糸がからみあってほぐしきれない状態になります。物事が10中8,9運んでも最後には壊れてしまいます。これを侵すと、談判、談合が破綻したり、夫婦、親、兄弟姉妹との離別、離婚、健康上の破綻を生じさせたりします。
例えば、移転したら重病にかかった。重大なところを骨折した。投資に失敗し、一家の生活が悲惨な状況に追い込まれる。不渡り手形を受け取る。家庭の決定的な不和。出張した先で大失態をし、契約が駄目になった。ギャンブルで大損する。

  Bは、思わぬ災難、困難を与える凶殺(中凶)です。これを侵すと、けが程度の災難、営業上の挫折に一瞬のうちに遭遇するなどのダメージをうけたり、運命の歯車に若干の狂いを生じさせ、まさかと驚く事件に巻き込まれたりします。具体的には、集金ができなくなる。いつもと違う状態になる。失恋、家庭騒動。陽に当てる為に外に出して日光浴をさせてた高価な小鳥を猫にさらわれたり、猫に引っ掻かれシャクにさわる。見通しの良い信号無しの交差点をいつもの通り通過したら、一時停止違反のいちゃもんをつけられて反則金を支払った。(一時停止の標識が目立たないところにあり、それまで何回も通過したのに気づかなかった。)(命に別状はないが警察官の罪作り行為に立腹する)。買い物に行って財布を落としたのに拾得者が出てこない。デートして一寸したことがキッカケで不和になる、又は振られる。銀行内のキャッシュコーナーで10万以内の現金を取り忘れ、振り込むつもりだったのでですぐに気づき、銀行に「僅かの差、つまり知らない人だが列のすぐ後ろの人、当然防犯カメラに写っている人が持ち逃げした筈だから調べて欲しい」と頼んでもめんどくさそうな応対で取り合ってくれない。防犯カメラは会社のためだけのもので取り忘れをするような間抜けな者には関係ない、せせら笑ってやる・・・といわんばかりの態度をとられ、泣き寝入りしたり立腹したりしたなど。

  Cは、本人に対してではなく、本人の又は本人と同居する6才未満の(小学校入学前の)小児に対してケガ、病気などの災厄を与える凶殺(中凶)です。小児がいる者が単独で(小児を家において)行動した場合でも小児に災禍がある。
これを犯すと、小児が旅行先で食中毒にかかる。びっくりするような高熱を突然にだす。遊んでいる間に頭部にけがをして出血する。通院中に病状が一時的に悪化して入院する。


  Dは、健康(特に精神的な面)に害を与える凶殺(中凶)です。これを侵すと命に別状はないとしても、種々の不都合が出ます。自分の錯誤から、とんでもない大失敗をしでかしてしまう。その場の雰囲気で、自分の計画や決心が簡単にぐらつき、不本意な結果に終わる。親戚・友人の結婚式に出て楽しんだ翌日、式場でうつされた悪性の風邪が原因で、高熱を出し、数日寝込む。急性の病、胃痙攣、ひどい腹痛など。軽い気持ちで取材し、記事にしたら後になって告訴されたなどの災い。商談、自分が主宰する会議がうまくまとまらない。信頼していた部下の思いがけない背信を知る。

  Eは、Dと同様ですが、幾分軽く済む凶殺(小凶)です。これを侵すと心が雰囲気にのまれて弱くなってしまうとか、だまされたのも知らず、その場では楽しくすごしたが、大分あとになって、その場についての変な解説者が出てきて、その時の良い気分、思い出が害されてしまう。
多忙をきわめ体力が消耗し極度の疲労をする。入る意志も無いのに腰掛けのつもりで受験したら、意外にも不合格になり、自尊心が傷ついた(後のトラウマになる)好意を抱いていない友人が突然に訪ねてきて応対に窮する。予定外の散財で予算のペースが狂う。など。




風水家相講座バックナンバーへ

Copyright (C) Yamazaki Motoi All Rights Reserved.
このサイトの内容の著作権はすべて著作者「山崎求易」に帰属します
無断転載禁止