風水家相講座(13)


方角とは/方位とは/鬼門とは(その2)/東西南北の表示

方角とは、方位とは

 このHPを読んでいる人は、「人間は(自分は)何か大きなものに支配されているのではないか」「天地自然の法則があるのではないか」と考えておられる方であると私は推定します。だから[方位の吉凶もある」と考えるはずです。しかしそういう人でも、方位の吉と凶は、それぞれ固定していて、吉の時は(凶の時は)誰でもいつでもそこに行って良い(行ってはいけない)と思っているようです。占いの専門家と自称し、又は、占いを職業としている人の中にも、同様に思い込んでいる人が多いのには、驚きます。
「鬼門には行ってならない」 とか「鬼門に・・・・・・は置いてはならない」 「鬼門には・・・・・を造ってはいけない」 「鬼門には・・・・・・を置いて魔除けをする」 等と実しやか(まことしやか)に書いたり、言ったりしている人がこの類です。(この類がむしろ、多いのにはあきれます)。どうなっているのでしょう。言葉の定義、方位と方角の違い、方角の吉凶判断法、運勢の鑑定法、人の性格の鑑定法の違いを、キチンと把握し区別できていれば、そのようなことを言えないはずなのですが・・・。わかってない自称「専門家」は、もっともっと勉強すべきです。わかっていて、商売の為にそのようなことを平気でやっている人達は、反省すべきです。 でも、今更、商売上、変更するわけには いかないか ?・・・・・・。

方角、方位という単語は、区別されること無く様々に使われているのが普通です。しかし、両者は、少なくとも占いの用語として使う場合には、明確に異なった使い方をしなければなりません。
方角とは、「向き」のことで、北、北北東、東北東、東、東南東、南南東、南、南南西、西南西、西、西北西、北北西の計12をいいます。地図の上では線で表わされていますが、占いでは、「向き」及び範囲(角度、各30度)を意味し、固定したものです。(円(360度)を上述12に分けますので各方角は30度になります)
方位とは、(占いでは)陰陽五行に起因する種々の取り決め/九星/十干/十二支と方角との関わり合いで生ずるものを言い、単に「向き」 を表わすものではなく、人事の禍福を鑑定するについての要となるものです。
そしてこれが、方角の吉凶判断(祐気鑑定法)、人の運勢判断(前兆鑑定法、同会被同会鑑定法、比較鑑定法(1))、人の性格判断(宿命鑑定法、傾斜鑑定法、比較鑑定法(2) )に用いる重要な要素となります。
方位は毎年、毎月、毎日変わる年盤(年回り)、月盤(月廻り)、日盤(日廻り)上の九星の循環によって、決まります。だから、方位は固定してはいないのです。
結局、方角は、30度づつ12に分かれるもの、方位は、12の方角に各々9つの星を配置し合計108に分かれるものと要約できます。
尚、方位は108通りありますが、これらが各個人(九星)に必ず廻ってくるとは限りません。また、108夫々が常に吉方または、凶方だということもありません。鬼門が常に固定的に凶方と言っている人達は、ここがわかっていないのでは ?・・・。
自称専門家諸君、もっと勉強しなさい。

鬼門とは(その2)
鬼門とは、丑寅つまり東北(東北東と北北東の2方角に別れる)の方角の別称です。
古来のネーミングが恐ろしい為か忌み嫌われ、永い年月の間に尾鰭背鰭もつき、無茶苦茶な、取るに足らない説明が加えられています。鬼門といえばその人にとって都合の悪い方角であり、場所であることを意味する代名詞になって、現在に至っているのは誠に困ったことです。更に、東北が常に固定的に凶方だから、その反対側(対冲とよびます)の西南(未申)の方角を裏鬼門と、悪乗りをした恐ろしい呼び方にして、この方角もまた、常に固定的に凶方と決め付け、且つアレコレと一見もっともらしいイチャモンがついているのも非常に困った慣習です。
これらについて私は、私のHP、講座NO4で、鬼門、裏鬼門云々は一笑に付すべき事柄であって、迷信以外の何者でもないという事を根拠を挙げて公言してきました。いずれも迷信の最たるものですから、このHPの読者の方は、こんな御託に束縛されないようにして頂きたいものです。また、今このHPを見ている貴方は、その旨を他の人にもぜひ教えてあげて下さい。東北を鬼門という嫌な呼び方にし、且つ東北の全範囲を怖いところ、悪いところだと決め付けるのは全くの間違いなのです。そうではなく東北は北北東と東北東との2つに分けて、文字通りに素直に呼称すべきなのです。また、東北は決して物騒な方角ではありません。東北の対冲方角である西南も同様であり、怖いところではありません。
自然界は一定のリズムで移り変わり(春夏秋冬/昼夜/潮の干満/月の満ち欠けなど)これを繰り返します。人間も大自然の一員ですから、心身の状態が天地自然の流れに同調します。そして、活性化されたり、鈍化されたりを繰り返し乍ら生きて、一生を終えます。気学ではこれを、盤という型式で説明し、盤上の本命星の動きを遁甲(とんこう)と称しています。自分自身(身体)は家にジッとしていたとしても、気学方則上では本命気は、遁甲によってアチコチ移動し続け、運命的な好調不調がくりかえされます。同様に方位も遁甲によって、108通りの移動をくりかえしています。これが、上述のように、年、月、日、時刻でばらばらですから、難しくなって誤解、混乱がおきるのです。
鬼門つまり東北(北北東、東北東)の方角は各々9通り計18通りもの方位に分けられますから、東北が常に固定的に凶方というのは正しくありません。東北の方角にも、他の方角と同様、星の遁甲があって、吉方になる時もあれば凶方になるとき時もあり、吉凶それぞれ存在するからです。しかも、吉方、凶方は各人(九星、本命星)の祐気、剋気によって決まりますので、東北(通称、鬼門)の吉または凶が、誰もが一斉に、同じときに該当するのでもありません。ここも一部の古い言い伝えの間違っているところです。人によって又は年月日時刻によって吉兆、凶兆に変化し、吉方にも凶方にもなりうるのです。この事は、西南(通称、裏鬼門)も全く同様です。
だから、「西側のカーテンを黄色にしておけば、今年は金がはいりまよ・・・・・・」 「東北には、皆さんのためにわたしが作ったラッキーグッズを置くと運気の流れが変わって・・・・・・」 などという全くのデタラメを、テレビや雑誌に時々出て、調子よくわめいている変な有名人をみかけますが、「オッちゃん、カラダだけはデージにして、ナガイキシテクンナイ」。

東西南北の表示について
方位、方角を解説したついでに・・・・。方位盤を、北を下にし、南を上(西、東も左右が逆)に表示して、「占いでは逆なのだから間違わぬよう、気をつけろ」などと、それこそ実しやかに、旧態依然に書いている向きが実に多いのも、気になります。(市販の「・・・・歴」は全部コレ)
北を下にする理由は2つあるようです。
1つは先天定位盤では南に天、北に地が配置されているから。
もう1つは南は太陽の天、北は水の地が 古来からの意味するところだから。・・・と。
どっちを上にしなければならない・・・という取り決めがある訳ではないのは確かですが、方角の矢印は常に上を向き、しかも、文字の表示がなくても上は「北」とするのが世界共通に了解されている事項なのですから、スンナリと北を上にすれば良いはずです。北と南の線に直角な線の右側は東であるのも世界共通事項であって、西(市販の「・・・・歴」は全部コレ)ではありません。(市販の・・・暦は北が下だから当然、西は左になり、これも全くへんてこりん。)時間の文字盤が世界共通であるように、占いの場合と言えども方位盤での北表示は世界共通であるべきで、方位盤は占い関係者だけでなく普通の人も見るのですから(むしろ普通の人が見る場合が多いのですから)北が上とするのが自然でしょう。
なぜこれに逆らうのか、私には全く理解できません。万国共通の考えに素直に追従しても、占いをするのに何の支障も起きないからです。占いは普通とは考え方、取り扱いが違っていて(逆で)、神秘なのだと思わせたい為なのか。一般人を混乱させて商売に結び付けたいのか。それにしても実に滑稽でケチなやり方だと考えます。こんな事はくだらないことですから、一般の人は全く無視して結構です。


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